アジョシ
「母なる証明」のウォンビンと「冬の小鳥」で絶賛された子役キム・セロンが共演し、2010年韓国で630万人を動員したサスペンスアクション。過去のある事件をきっかけに、世間を避けるように孤独に暮らしていたテシク。隣家の少女ソミは母親が仕事で忙しく、テシクを「アジョシ(おじさん)」と呼び、たった1人の友だちとして慕っていた。そんなある日、麻薬密売に巻き込まれた母親とともにソミが犯罪組織に誘拐され、ソミを救うため組織を追うテシクは事件の背後に隠された真実を知る。
---映画.comより抜粋
それほど韓国映画に明るくない当方は、どうせウォンビンの、ウォンビンによる、ウォンビンの為の映画でしかないんだろうと思って劇場での鑑賞を避けていました。しかし先日『母なる証明』を鑑賞し、巷で噂の“携帯パカパカ・ウォンビン”を観たら、今更ながらこの男への信頼度が一撃で神レベルに到達。こうなったら観るしかないだろ、って事で本作をサクっとレンタル。結果…
ウォンビン、かっこえええええええ
なんだこの瞳のキラキラ具合。そのキラキラが後半は逆に恐ろしく見える、感情の揺らぎもしっかり演じてくれる。アクションも文字通り体当たりで挑戦していて、肉体的な説得力もある。この男、只のイケメンではないぞ、と。本当に本当に素晴らしい役者だと遅まきながら認識を改めさせて頂きました。
イ・ジョンボム監督の手腕も相当なもので、まぁテンポが良くて120分があっという間。画の作りもウォンビンの格好良さを存分に引き出してくれるし、特に格闘シーンの迫力、ナイフアクションの新鮮さは、残虐シーンに弱い人でも(「血」さえ耐えられれば)間違い無く楽しめる。端役に至るまで、キャスティングとキャラの立ち具合も最高。シリアスなお話なのに笑わせ所も豊富。
それに加えて、ストーリーテリングが上質の極み。伏線を伏線と感じさせない見事な配置と、決して説明的でない人物の掘り下げ。あの敵役のベトナム人の描き方には心から絶賛。ラストは号泣ですよ。
デフォルメされ過ぎなキャラ(特に悪役の弟)が鼻についたり、ウォンビンのセリフがキザ過ぎる点もあり、100点満点!とは言い難いのですが、この映画が2010年の韓国での興行収入No,1っていう土壌が本当に羨ましくなります。
<結論>
確かにちょっと“ウェット過ぎる”という声があるのも分かります。特にラストはあまりに美談テイストが強いな、とは思いました。しかし、韓国映画と言えば救いの無い、鈍重バイオレンスばかり……というイメージが先行していた当方にとっては、このウェット過多なテイストすら心地良かったのです。
傑作!大傑作!ウォンビン最高!