人気アクションシリーズ「X-MEN」のプリクエル(前章)。後のプロフェッサーXことチャールズ役に「つぐない」のジェームズ・マカボイ、マグニートーことエリック役に「イングロリアス・バスターズ」のマイケル・ファスベンダー。監督は「キック・アス」のマシュー・ボーン。
ーーー映画.comより抜粋
■マシュー・ボーン監督の前作『キック・アス』がとにかく最高だった!
■本作は“X-MEN童貞”向けの作品で、それくらいの方がむしろ楽しいらしい!
……特に後者は周りの映画好きがこぞって「リメイクとして大成功している!」と太鼓判を押してくれたので、マシュー・ボーンへの期待を確信とするべく、38度の熱を押して布団にくるまって観たのです。
結果、やはりコンディションの優れない時に、無理に芸術作品に触れるモノではありませんね。
……あれ?楽しくないぞ……?
と、終始お話に乗り切れないままエンドロールを迎えてしまいました。
ストーリーテリングやVFXでの演出のいずれにも琴線が反応せず、「この不感症状態は何が原因なのだ?」と己を問いただしながらの鑑賞を余儀無くされました。で、マイノリティとして迫害されたり対立してしまったりするミュータント達に、感情移入出来ない以前に「どうでもいい」とすら思って観ている自分に気付いたんですね。
以前から、いわゆる「超能力」を実写で可視化されると萎えてしまうタイプで、『バンシー』が口からボワワワーンと円状の超音波を出した時点で、急激に脳内が冷めていってしまいました。思えば同じアメコミ原作でも、「超能力者」ではなく「狂気に捉われた者」が敵役となる場合の多い『バットマン』シリーズはわりかし好みで、『ダークナイト』なんかは楽しんで観れたんですよね。で、『スパイダーマン』はやっぱりもう一つ乗れなかった。生身の人間と、その人間が起こす超常現象の画的な不釣り合いがどうしても気になってしまって、どんなに素晴らしいCGで構成されていたとしても「アニメでやればいいのに」と思ってしまうんですね。
キング牧師とマルコムXを想起させるチャールズとエリックの静かな対立なんかは、非常に印象的に描かれていましたし、最近だと『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』に見られたような、虚実の皮膜を感じさせてくれる“史実の裏側の真実”的キューバ危機の利用もベタではあるけど良かった。
特にあちこちで絶賛されている通り、ミュータント達のスカウトシーンとトレーニングシーンは、王道中の王道で単純にアガる!なんか『メジャーリーグ』の1作目あたりを思い出しましたね。作品全体としては、評判通り“童貞層”を惹き付けるには十分な程に魅力的に仕上がっている事は確かだと思います。
<結論>
原作のファンからも一定の評価を得ている様なので、やはり当方に“超常現象可視化の系譜”と折り合うスキルが欠落していた様で、何かの修行不足を痛感しました。何を鍛えれば克服出来るかも分かりませんが。
どなたか、この系譜の作品のオススメありましたらご教示下さい。
『スター・ウォーズ』があるじゃん!って言われそうですけど、アレは超常現象が可視化されるのって、皇帝の電撃くらいですよね?フォースって意外と目には映らないですもんね。